異色のランナー、鈴木亜由子選手に学ぶ生活改善のコツ。
今回は「1日の時間の使い方」について学んでみたいと思います。
日本郵政グループ女子陸上部のスケジュール
東京オリンピック女子マラソン日本代表の鈴木亜由子選手は、実業団の日本郵政グループ女子陸上部に所属されています。
選手の1日のスケジュールが紹介されていました。
陸上部員の1日は、早朝6時の朝練から始まる。
普段の練習は、寮を拠点に数か所の練習場で行っている。
朝練後は寮に戻り、全員で朝食を食べる。
その後、午前中は郵便局等での勤務、昼食は各自で食べ午後はまたチームで練習、そして寮で夕食というスケジュールだ。
このように日曜日以外は毎日、朝・晩の食事を食堂で、チームみんなで食べている。
- 朝6時に朝練
- 寮で朝食
- 午前中は業務
- 昼食は各自
- 午後に練習
- 寮で夕食
基本的に「早寝早起き」というかんじみたいです。
実際には、これはおおよその目安であって、各人の体調とか、合宿、大会前、オフシーズン等、状況によってスケジュールは変動するものと思われます。
他の実業団のスケジュール
他の実業団も似たり寄ったりだと思いますが、検索したら天満屋やダイソーの陸上部のスケジュールも紹介されていました。
天満屋
天満屋は、鈴木亜由子選手と同じく、東京オリンピック女子マラソン日本代表である前田穂南選手が所属している名門の実業団です。
- 5:50 早朝練習
- 8:00~8:30 朝食
- 9:30~11:30 職場で仕事
- 12:00~13:00 昼食
- 15:00~ 午後練習(夏は15:30)
- 18:00~18:30 夕食
- 夕食後~ 補強トレーニング、各自の時間
- 22時 就寝
ダイソー
ダイソーは100円ショップで有名ですね。
ダイソー女子駅伝部は2019年3月に創部したばかりの新しいチームでした。
選手の1日のスケジュール
基本的な1日のスケジュールです。
朝練習は寮内のトレーニングルームに集合します。
その後、近隣の学校や環境を利用しトレーニングを行います。食事は寮内の厨房にて調理し、管理栄養士の指導の下、
栄養価の高く新鮮な食事を1日2食(朝・晩)提供いたします。午前中は各個人でトレーニングルームや近隣で軽く汗を流します。
また治療室において超音波治療や、酸素カプセルでのリカバリーも可能となります。季節によって多少時間は変わりますが基本的に15:30から練習を開始いたします。
その後、夕食を摂って自由時間となります。※週2回、本社・店舗販売・接客等運営に関する業務を行います。
(1日3時間程度、9:00~12:00まで)
多少の違いはあるものの、各チームは似たような時間帯で早朝練習や午後練習のスケジュールが組まれているようです。
一般的な社会人(サラリーマン)は午前も午後も勤務なので、実業団選手と同じ時間配分は難しいですが、早朝や夕食以降の時間の使い方は改善の余地があるでしょう。
鈴木亜由子選手など実業団選手の練習メニューを参考にして、早寝早起きを心掛けてみたいと思います。
実業団とは?
「実業団」(じつぎょうだん)という言葉はよく聞きますが、正確な意味は知らなかったので調べてみました。
実業団(じつぎょうだん、英語:works team)とは、企業や組合の従業員で構成されるスポーツチームである。学校のクラブ活動とともに昭和期の日本のアマチュアスポーツを牽引したチーム形態である。
戦前の「大連実業団」のようにチーム名に実業団の語を用いられることもあったが、戦後は、チームの概念としてのみ実業団という語が使われる。
- 実業団の選手は、企業の社員
- 形の上では、社員が選手になってスポーツを行なっている
という特徴があります。
実業団とプロの違い
実業団って何?
実業団とは、自治体や法人等に所属する社員等で構成されたスポーツクラブのことです。
例えば「実業団バレー大会」といえば、バレーボール部を有している企業のチーム等が対抗試合を行う大会のことであり、高校生等が出場するバレーボール大会とは異なるのです。
実業団とプロの違いとは
では企業等がチームを有して運営しているという点では共通しているプロと実業団はどう違うのでしょうか。
その大きな違いは、そのスポーツチームに属している選手と会社の関係の違いにあるといえます。
実業団は基本的にチームを有する企業の社員が選手となります。
従ってその企業とは雇用契約の関係がある訳です。
一方のプロチームの選手は雇用契約はなく、選手として年単位で契約しています。
契約が切れれば、その会社と選手は関係がなくなるのです。
という違いがあります。
実業団とプロとアマチュアの違い
アマチュアとは?
アマチュア(英: amateur)とは、芸術・学問・スポーツなどを、職業ではなく、趣味や余技として行う人。
素人、愛好家とも言う。
対義語はプロフェッショナル(professional。金銭を得る人)。
スポーツを仕事(金銭を得る)としてやっているわけじゃない人が「アマチュア」ですね。
今の時代だと「アマチュア」の日本語訳として「素人」という表現はちょっと合わないかも?
スポーツとはちょっと違う分野になりますが、カメラマンとかだと、区分上はアマチュアのカメラマンでも、実際にはプロのカメラマン以上の技量を持つ人もいて、そういう人達は「ハイアマチュア」とか「セミプロ」と呼ぶ場合があるようです。
JOC(公益財団法人日本オリンピック委員会)では、プロとアマの区別を以下のように規定しています。
・肖像権の管理をJOCに委託している ➡ アマ
・肖像権の管理を自分でしている ➡ プロ
実業団とは、「企業や組合の従業員で構成されるスポーツチーム」
陸上長距離では実業団に所属せず、スポンサー収入や賞金で活動する選手を一般的に「プロ」と呼んでいます。
最近では、オリンピックは商業化が進んで野球やサッカー、テニス、ゴルフなどのプロ組織やプロの大会でスポーツをして収入を得ている選手や賞金の出る大会に出場した選手もオリンピックに出られるようになりました。
マラソンにおいても、アマチュア大会に賞金を得られるケースがほとんどです。
ということで、最近ではプロとアマの区別はほとんど無くなった状況と言えるのかもしれません。
まとめますと、
- 仕事としてやっているか?(選手契約、広告出演費や賞金などで金銭を得ているか?)
- 企業に所属しているか?(独立しているか?)
という違いで、「プロ」「実業団」「アマ」を定義できるようです。
実際には、プロとアマの違いはほとんどなくなってきており、例えば商業化が進んだオリンピックでは、従来のアマチュア選手だけでなく、プロ選手も参加できるように変わってきています。
実業団選手は、プロ選手と比べて、メリットもデメリットもあるんですね?
マラソンランナーも、アマチュア選手や実業団選手からプロ選手に転向した人もいるので、各人の状況に合った形で活動されているのだと思います。
言葉の意味を調べてみたら、実業団選手について少し理解が深まりました。(プロと実業団の違いとか)
早寝早起きのメリット
プロ・アマ・実業団…いずれにせよ、自分よりも実力が上の人達の良い点を学び、取り入れることによって、自分の実力を向上させることができれば良いと思います。
実業団選手は早寝早起きをしていることが分かりました。
早寝早起きのメリットはいろんな人達が提唱しているので、特別にスゴイことというわけでもなく、いちいちもっともという話かもしれませんね。
朝の光を浴びると「セロトニン」という脳内物質の分泌が活発になります。セロトニンには心を穏やかにする働きがあり「幸せホルモン」と呼ばれています。精神の安定を得ることで、仕事や勉強に打ち込みやすくなります。
よく「お金持ちはこんな習慣がある!」という記事があるが、その影響を受けて模範してもお金持ちにはなれない。彼らの行動は「思考→行動」の結果であり、結果だけ見ても成果は伴わない。大事なのは「なぜそうしているか?」という動機や思考の方であり、取り入れるべきはこれら思考や動機の方だ。
「原因帰属理論」といって、うまくいく人ほど何か失敗した時には「自分の努力不足。故に努力すれば改善できる」と考えるのです。
今より高い位置を目指して努力をしたい、そう考える人が自然に取る行動こそが「早起き」なのです。
一日に使える時間には限りがあります。そして等しく与えられた24時間には質があります。
早朝に起きたばかりの体力全開で、誰にもじゃまされない時間は紛れもなく「質の高い時間」であり、遅くまで働き、夜食を食べた後の時間は疲れていますし、食後という事もあって「質の低い時間」ということが出来るのではないでしょうか。
同じ1時間なら、質の高い時間を集めて集中的にバシバシこなしていく。そう考えた結果、導き出されるのが「朝早く起きる」という結果であり、彼らが早起きをするのです。
帰属理論
帰属理論(きぞくりろん Attribution theories)とはある事象の原因を何に求めるのかという帰属過程がどのように行われるのかを理論化したものである。
早起きのコツ
早起きするためには、単純に早寝(就寝時刻を固定)したら良いと思います。
その日の体調によって睡眠時間は多少変動しますが、睡眠は毎日のことなので、自分のだいたいの睡眠時間は把握できると思います。
いつも6時間ぐらい寝ている人が朝6時に起きるためには、夜0時に寝れば6時間後=朝6時に目覚める、というわけです。
クロノタイプ(朝型・夜型)
最近、朝型や夜型など「クロノタイプ」という睡眠パターンが研究されています。
クロノタイプの研究によると、必ずしも夜型が悪いわけじゃなくて、人によって向き不向きがあるそうです。
ヒトは昼行性で、通常は昼に活動的で夜に休息(睡眠)を取る動物ですが、そのタイミングは一人ひとり少しずつ異なります。この一人ひとりがもつ時間的なタイミングの傾向がクロノタイプです。
夜型でも問題ない人が、無理矢理朝型に変えて体調を崩してしまうなら、睡眠時間の設定は遅寝でも良いと思います。
短眠の人(ショート・スリーパー)
ついでに、「短眠」に関して言えば、疲れているときは睡眠時間が長くなり、元気なときは睡眠時間が短くなる傾向があると思います。
なので、一概に短眠=健康に悪い、とは思いません。(結果オーライ)
極端に言えば、無理なく早起きできるなら別に「遅寝早起き」でも構わないと思います。
ショートスリーパー(short sleeper)とは、短い睡眠時間で健康を保っていられる人間のことであり、短眠者(たんみんしゃ)ともいう。
一日の平均睡眠時間は7-8時間程度が健康的とされるが、6時間未満でも生活できる人間がいる。
早朝の活動を見直そう!
実業団選手のスケジュールから学べることは、彼らは早朝から活動していることです。
(朝練の必要性やメリット/デメリットについては、別途検討してみたいと思います。)
朝型・夜型・短眠…いずれにせよ、早朝は邪魔が入りにくい貴重な時間なので、大切にしたいと思いました。
実業団選手のスケジュールを参考にして、生活パターンを改善していきたいと思います。