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メンタルモデルの本

「メンタルモデル」という考え方について紹介した本がありました。

「超一流が実践する思考法を世界中から集めて一冊にまとめてみた。」という本です。

 

 

メンタルモデルとは?

(p.3)

はじめに

「超思考力」を手に入れろ!

 

 私たち夫婦は、人生や仕事、時事問題などについてよく話し合います。その会話中、ふと気付くと、似たような思考回路をたどって考えていることがよくあります。まったく共通項のない問題のはずなのに、手がかりを探す過程で、何度もくり返し同じ概念が顔を出すのです。

 このような、物事を考えるときの手がかりになる概念の枠組み(フレームワーク)メンタルモデルと言います。

 世の中に存在する有効なメンタルモデルをたくさん身につけることで、世界の真髄に迫れる特別(スーパー)な思考力、すなわち超思考力(スーパーシンキング)を手に入れることができます。その結果、私生活や職場で、より短時間に、かつ優れたアウトプットを生み出せるようになるのです。

 メンタルモデルはもともと認知心理学の用語で、個人が世界をどのように認識し、解釈しているかを示す、頭の中のひな形(モデル)を意味します。物事に接したときに頭に浮かぶ、「行動のイメージ」と言ってもいいかもしれません。

 たとえば、犬に嚙まれてけがをした経験がある人は、「犬は嚙む動物」というメンタルモデルを形成し、犬を見るたびに警戒するようになるでしょう。一度頭に形成されたメンタルモデルは、「こういうときはこうする」というイメージとなって、その後似たような状況に直面したときの指針となります。本書では、このようなメンタルモデルの概念を発展させ、広くビジネスや日常生活に役立つ思考の型となる概念全般を指して、メンタルモデルと呼んでいます。

 本書で取り上げているメンタルモデルの一例として、臨界量があります。

 核分裂の連鎖反応が持続する状態を臨界状態と言いますが、臨界状態をつくり出すのに最小限必要な核分裂物質の量(質量)が臨界量です。臨界量のメンタルモデルは、原子爆弾の開発に重要な役割を果たしました。

 英語では、「これを越えると一気に増えるという境目」を臨界量と呼び、「アイディアが臨界量に達する」「製品が臨界量に達する」など、様々な場面で比喩として用いられています。数百種類にも及ぶ物理学の概念のほとんどは専門領域内でのみ使われていますが、臨界量という概念にかぎっては、物理学の文脈を離れた一般社会でも広く活用されているのです。

 たとえば、ふだんガレージで埃をかぶっている高価な電動工具を、地元の人同士で貸し借りできるようにするビジネスを思いついたとします。

 このビジネスに臨界量の概念が適用できると気付けば、事業を実行に移す前に、最低限到達しておかなければならないしきい値が存在することがわかるでしょう。この場合、初期の顧客のニーズを満たすのに十分な数のレンタル用電動工具が、その地域にあることが前提となります。ちょうど、ライドシェア企業のリフトが新たな都市サービスを軌道に乗せようと思ったら、まず十分な数のドライバーを確保しなければならないのと同様です。このような考え方ができること、それがまさに超思考力なのです。

 そこで本書では、物理学をはじめ、数十種類の学問分野にまたがる重要なメンタルモデル300以上を体系的にリストアップしたうえで、分類し、解説しています。

 メンタルモデルを随所にちりばめながら、読み物としても面白く、またわかりやすい内容であることを心がけ、1冊にまとめました。

 本書を通じて会得したメンタルモデルの数々は、一生みなさんの役に立ってくれることでしょう。状況を正しく理解したり、アイディアを生み出したり、意思決定を行ったりする際の一助となってくれるはずです。

 

本書の定義では、メンタルモデルは

物事を考えるときの手がかりになる概念の枠組み

とのことです。

この「手がかりになる」という表現が肝だと思いました。

 

元々は心理学の用語ということで、検索してみました。

 

www.google.com

 

ja.wikipedia.org

 

メンタルモデル(英: mental model)とは、頭の中にある「ああなったらこうなる」といった「行動のイメージ」を表現したものである。

 

「AならばB」という論理構造を持つ概念であれば、因果律を前提とする考え方の一種ということになりますね。

 

概要

メンタルモデルは、外界の現実を仮説的に説明するべく構築された内的な記号または表現であり、認識と意思決定において重要な役割を果たす。

メンタルモデルが構築されると、時間とエネルギーを節約する手段として慎重に考慮された分析を置換する。

単純な例として、「野生動物は危険だ」というメンタルモデルがあるとする。

このメンタルモデルを保持する人は、野生動物に遭遇したとき反射的に逃げようとするだろう。

これは自身のメンタルモデルを適用した結果であり、野生動物に対するメンタルモデルが形成されていない人や違うメンタルモデルを保持している人はこのような反応はしないと考えられる。

 

我々を取り巻く世界がどのように出来上がっているのか?という世界観を形成している認識/経験則が、メンタルモデルということでしょうか。

「野生動物は危険だ」という経験則が、その人の野生動物に関する認識(仮説)を形成し、野生動物に出会ったときはその仮説を援用して対処することになると。

ここで敢えて仮説と言ってるのは、安全な野性動物も存在する可能性もあるため、「野生動物は危険だ」という仮説が100%正しいと証明されたわけではないからです。

全ての野生動物が危険であることが証明されたら、仮説ではなく真実へと格上げされるでしょう。

 

我々の思考は自由に展開できるので、証明前の段階である仮説をたくさん持つことが可能です。

従って、我々が観察した対象物について、不完全ではあっても仮説を立てることは可能です。

経験則によって仮説を得て、それで現象の動作原理を予想する。

その思考過程を表現したものが、まさにメンタルモデルであると言えるのでしょう。

 

心理学における「メンタルモデル」という概念の定義については、別の機会に心理学の本や論文で確認してみたいと思います。

 

歴史

この用語は1943年、Kenneth Craik が著書 The Nature of Explanation で初めて使ったとされている。

Craik は自転車事故で早世したため、その考え方は深く練られることはなかった。

Craik 以前、Georges-Henri Luquet がこの考え方をある程度進展させていた。

彼の著書 Le dessin enfantin(1927年、Alcan)によると、子供が明らかに「内的モデル (internal model)」を構築していると主張し、ジャン・ピアジェらに影響を及ぼした。

 

1983年、Mental Models と題した本が2つ出版された。

1つはプリンストン大学教授の Philip Johnson-Laird の著書である。

もう1つは Dedre Gentner と Albert Stevens が編集した論文集である。

この本の冒頭の一文がメンタルモデルという考え方をよく表している。

「この章の1つの機能は、明らかなことを強調することである。すなわち、世界、自分自身、自身の能力、実行するよう求められたタスク、学ぶよう求められた項目といった事物についての人の見方がその人自身がそれらをどう概念化するかに強く依存しているということである」

 

その後さらに議論が行われ、マンマシンインタフェースやユーザビリティにこの考え方を応用するようになった。

例えばドナルド・ノーマンの研究や Steve Krug の著書 Don't Make Me Think がある。

Walter Kintsch と Teun A. van Dijk は「シチュエーションモデル (situation model)」という用語を使い(1983年の著書 Strategies of Discourse Comprehension)、会話におけるメンタルモデルの関連を示した。

 

1943年にメンタルモデルという考え方が示された、とのこと。

今から80年以上も前から長い間使われ続けてきて、すでに枯れた用語だったんですね!

今まで接点がなくて、自分が知らないだけだったようです。

 

 

 

 

 

 

 

本書「超一流が実践する思考法を世界中から集めて一冊にまとめてみた。」で紹介されているメンタルモデルは、すでに知っている有名なものから、全然知らなかったものまでたくさんあったので、参考にしてみたいと思います。