(↑この記事の動画 時間:5分41秒)
2019年5月19日に行われた第103回日本陸上競技選手権大会の女子10000m走で、日本郵政女子陸上部の鍋島莉奈選手が優勝し、鈴木亜由子選手が2位になりました。
レース直後にお互いの健闘を称え合う鈴木亜由子選手と鍋島莉奈選手。
映像で鈴木亜由子選手の口元を見ると「負けちゃったよ~!」と言っているようにも見えます。(隣で鍋島選手がガッツポーズw)
選手プロフィール
鈴木 亜由子
鈴木 亜由子(すずき あゆこ)
生年月日 平成3年(1991年)10月8日
出身 愛知県
出身校 名古屋大学
勤務先 日本郵便(2014年度入社)
ニックネーム あゆこ、あゆちゃん
座右の銘 得意淡然失意泰然
好きな色 赤色
鍋島 莉奈
鍋島 莉奈(なべしま りな)
生年月日 平成5年(1993年)12月16日
出身 高知県
出身校 鹿屋体育大学
勤務先 日本郵便(2016年度入社)
ニックネーム なべちゃん
座右の銘 ガマン
好きな色 紫色
鈴木亜由子選手が鍋島莉奈選手よりも2年上の世代なんですね。
大会情報
第103回日本陸上競技選手権大会 10000m
開催日 2019年5月19日(日)
会場 大阪・ヤンマースタジアム長居
6月に福岡で行なわれる日本選手権ですが、男女の10000mは分離開催となり、「セイコーゴールデングランプリ」の終了後に行なわれます。
日本選手権で優勝して世界選手権への出場資格を得た鍋島莉奈選手ですが、残念ながら故障のため世界選手権は棄権となりました。
負けず嫌いのエピソード
鈴木亜由子選手は、競技に真摯に向き合っており、負けず嫌いな性格で有名なようです。
(…鈴木亜由子選手に限らず、トップアスリートはほとんどがそうだと思いますが)
《“F1少女”たった1度だけの悔し涙》
鈴木が小学2年で豊橋陸上クラブに入部した当初から指導を続けている松山憲一さん(72)は、子供たちの練習を終え、ふっと一息つき「亜由子は怪物だったよね」と当時を振り返った。
“F1少女”とも呼ばれ、地元では負けなしだった鈴木が一度だけ泣いたことがあった。小学6年の全国小学生クロスカントリーリレーに3番手で出場。25人抜きを達成して4位入賞に貢献したが区間賞を獲得することができず悔し涙を流した。当時は手動計測が主流で鈴木があまりにも速すぎたため、計測員も見落としていたという。松山さんらが抗議した結果「同着の区間賞」が鈴木に贈られて事なきを得たが、松山さんは「泣いたのは初めて見た。物凄く負けず嫌いです」と笑う。
日本選手権の10000m走で2位になったときの「負けちゃったよ~!」という吐露も、子供の頃から負けず嫌いの性格が変わっていない、ということでしょうか?
2度の骨折から復活を遂げたガッツ
小学生時代から地元では有名だった鈴木。順風満帆な陸上人生を予感させたが、時習館高1、2年の2年間で右足舟状(しゅうじょう)骨を2度骨折。一転して絶望の淵に沈んだ。その鈴木を救ったのが、東三河陸上競技協会会長を務める夏目さんだった。鈴木の陸上人生に大きな影響を与えた恩師は「私が亜由子を助けたのではなく、元々彼女は強かったんです。誰が指導しても強くなります」と温和な表情で語った。
鈴木が高校2年だった08年9月。すでに高校教員を退職していた夏目さんの元に、助けを求める電話があった。声の主は1年生の12月に1度目の手術をしていた鈴木の父・伸幸さんだった。「登録されていない電話で最初は切った。もう一度かかってきたので何事かと思った」。鈴木の実家を訪れた夏目さんは、部屋の床に体育座りしている鈴木を見て「覇気がなくて、生気もない。正直大丈夫かなと思った」と第一印象を振り返る。
◆「走らない」がスタート
鈴木は骨折から復活し、2年時にインターハイに出場したものの1500メートル決勝で16人中15位と惨敗。それだけではなく、陸上部の顧問と強化方針についての齟齬(そご)もあり精神的に追い詰められていた。夏目さんは小中学校時代に鈴木が活躍する姿を知っていただけに衝撃は大きく「東三河の宝を腐らせてはいけない」と1対1で面倒を見ることを決めた。
夏目さんの指導は「走らない」ことから始まった。愛知県豊川市内にある本宮山(標高789メートル)の登山から練習はスタート。下りは骨折した足首に負担が大きいため、上りのみ。頂上に着くと車で下山して、温泉施設の水風呂でアイシングするのが定番コースとなっていた。
ともに歩き始めた直後の9月末。2度目の骨折が判明した。周囲は陸上引退も頭をよぎったというが、逆に鈴木は「インターハイに出たい」と決意を固め、同年11月に2度目の手術を行った。ゴルフ場でのランニングやジム、心肺機能を落とさないようにプールでのトレーニングなど地道なリハビリを夏目さんとともに乗り越え、3年のインターハイ3000メートルで8位入賞を果たした。
3000m/陸上競技女子 - 全国高校総体2009 結果 : nikkansports.com
◇8月2日◇奈良市鴻ノ池陸上競技場◇決勝
(1) 伊沢菜々花 (愛知・豊川) 9分15秒65 (→ 順天堂大 → ユニバーサル)
(2) 堤愛華 (岡山・興譲館) 9分16秒18 (→ デンソー → 引退)
(3) 赤松真弘 (岡山・興譲館) 9分16秒81 (→ 筑波大 → 引退)
(4) 末吉茜 (長崎・諫早) 9分17秒02 (→ 京セラ → 引退)
(5) 久馬萌 (京都・綾部) 9分17秒08 (→ 筑波大 → ダイハツ)
(6) 藤石佳奈子 (新潟・三条) 9分17秒86 (→ 順天堂大 → しまむら)
(7) 加藤岬 (宮崎・宮崎日大) 9分18秒96 (→ 九電工)
(8) 鈴木亜由子(愛知・時習館) 9分20秒24 (→ 名古屋大 → 日本郵政)
右足舟状(しゅうじょう)骨の疲労骨折
- 高校1年生:2007年12月に1度目の手術
- 高校2年生:2008年11月に2度目の手術
http://www.i-l-fitness-jp.com/aboutbody/kokkaku/detail-navicular.html
舟状骨(足) (しゅうじょうこつ、英:navicular)
・舟状骨は7つある足根骨の1つで、3つの楔状骨と距骨に挟まれた内側に位置する骨である。
足の舟状骨は、足の内側にあって、土踏まずの頂点に位置し、体重を支え、足の踏み出しでは重要な役目を担っています。
(2)症状
激痛で、歩くことができません。直後から腫れが大きくなり、皮下出血が見られます。
(3)治療
舟状骨の剥離骨折は、MRIで確定診断されています。
現在では、保存療法よりも、アンカーボルトで締結する積極的な固定術が主流となっています。
(4)後遺障害のポイント
舟状骨裂離骨折の単独損傷で、早期に固定されたものは、完治し、後遺障害を残しません。
高校時代に2度疲労骨折し手術も経験。競技をあきらめかけたこともありました。
「負けず嫌い」という性格は、言い方を換えると「諦めない」という性格でもあると思いました。
鈴木亜由子選手のガッツを見習って、困難な状況になっても目標を諦めずに頑張ってみたいと思います。