Life improvement

生活改善のノウハウを収集

能に学ぶ『和』の呼吸法

www.youtube.com

(↑この記事の動画 時間:3分54秒)

 

東京オリンピック女子マラソン日本代表の鈴木亜由子選手がお勧めの本を紹介されていました。

「能に学ぶ『和』の呼吸法」という本です。

 

mainichi.jp

 

f:id:sagasite:20200917235056j:plain

 

毎日新聞2020年5月11日

 

 私のオススメは能楽師の安田登さんが著した「能に学ぶ『和』の呼吸法――信長がストレスをパワーに変えた秘密とは?」(祥伝社刊)です。普段は何気なく呼吸をしていると思いますが、能のゆったりした呼吸は、リズミカルで深い呼吸を作ります。そうした呼吸を意識的に行い、特に息を吐くことに意識を向けると不安やストレスが軽減されて、活気がキープされたり増したりする効果があると紹介されています。

 

 この本は本棚の奥に眠っていたのですが、最近になって改めて読み返しました。自粛など大変な今だからこそ、内容が頭に入ってきて、寝る前や落ち着かない時などに実践しています。これだったら、皆さんも簡単にできるのではないでしょうか。

 

 読書は好きで、試合や合宿の移動中に読んでいます。月平均3、4冊で、ジャンルは偏りなく、小説や自己啓発本、競技につながるメンタルの本も読みます。何かを吸収したいと思って本を手に取ることもあるし、競技から離れてリラックスする意味で読む時もあります。

 

 

能に学ぶ『和』の呼吸法

 

内容(「BOOK」データベースより)

なぜ、信長は強かったのか?古来、勇将・猛将と呼ばれた人には、人一倍恐怖心が強いという人が多くいました。織田信長も、とりわけ恐怖心が強かった一人ではないでしょうか。しかし、それでも彼はタフだった。そのタフさを作っていったひとつの技が「舞」でした。舞と謡によって信長は、死の恐怖を克服し、それを行動のエネルギーに変えていったのです。

 

目次

はじめに

 

1章 信長が舞った「人生五十年」の舞の秘密 ―― 深い呼吸と声がストレスを力に変える

 

 日本人は精神的に弱いのか

 信長の強さの秘密

 心に錨を下ろす

 

2章 能のゆったりとした呼吸は「反復律動性」をつくる ―― 高いパフォーマンスを引き出す「和」の呼吸法

 

 「能」の呼吸法

 白隠が伝えた呼吸法

 

3章 能の発声は、深層の力を引き出す ―― 不安や恐怖も吹き飛ばす「和」の発声法

 

 声は無意識のブレーキを外す

 能に伝わる声とリズムの力

 

4章 能の動きから「和の呼吸法」を手に入れる ―― 心身の最高パフォーマンスを引き出す

 

 「心」に届く呼吸と声

 「軸」を感じて立つ

 不安をエネルギーに変える基本

 ストレスを大きなエネルギーに変換

 

おわりに

文庫版のためのあとがき

参考文献

 

出版社情報

出版社の書籍ページを見ると、初版は2008年で、文庫版が2018年に刊行されていました。

 

http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396613006

発売日: 2008/01/31

 

http://www.s-book.net/plsql/slib_detail?isbn=9784396317409

発売日: 2018/08/07

 

深い呼吸と発声が、心と体の隠れた力を引き出す!
織田信長は、なぜ戦いの直前に『敦盛』を舞ったのか?

 

能に隠された「反復律動性の呼吸」の効用とは?
謡や舞は、「ゆっくりと繰り返される、リズミカルな深い呼吸」、すなわち「反復律動性の呼吸」によってなされます。「反復律動性」にはストレスをそのままに保ちながら、それを適切なリズムに整えることによって、行動エネルギーに変換させる効果があります。不安や恐怖、ストレスにさらされている人にこそ最適な呼吸法といえるでしょう。

 

なぜ、信長は強かったのか?
古来、勇将・猛将と呼ばれた人には、人一倍恐怖心が強いという人が多くいました。織田信長も、とりわけ恐怖心が強かった一人ではないでしょうか。しかし、それでも彼はタフだった。そのタフさを作っていったひとつの技が「舞」でした。舞と謡によって信長は、死の恐怖を克服し、それを行動のエネルギーに変えていったのです。

 

能に学ぶ「和」の呼吸法

能に学ぶ「和」の呼吸法

  • 作者:安田 登
  • 発売日: 2008/02/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

■日本人にあったストレスマネジメントは、「和」の呼吸法にあった!

「日本人は精神的に弱い民族である」「本番に弱い」とよくいわれます。
また、ここ数年にわたり日本人の自殺率は上昇し、うつ症状を呈する人も増え、ついに厚生労働省はその対応を義務づけました。しかし、ほんとうに日本人は精神的に弱い民族なのでしょうか?
いま行なわれているストレスマネジメントの技法はアメリカ生まれです。その技法は、私たち日本人にあっているのでしょうか?

 

■なぜ織田信長は、戦いの直前に『敦盛』を舞ったのか?

豪放と知られる織田信長は、桶狭間の戦いの直前に、幸若舞『敦盛』にある「人間五十年」の舞を舞いました。この行動の意味は、「和」の呼吸法の視点からみると理解できます。圧倒的多数の敵に向かうための死の恐怖を、深い呼吸と声により克服し、それを行動エネルギーに変えたのです。大きなストレスをあえてぎりぎりまでため込み、深々とした呼吸と声を使い、信長は自身の深層の力を引き出したのです。

 

■能の深い呼吸と発声が、心と体の隠れた力を引き出す!

じつは、この信長の呼吸法は、とても理にかなったものでした。ゆっくりと繰り返される能の深い呼吸は、「反復律動性の呼吸」だと、東京学芸大学の藤枝先生も指摘されています。やる気をキープしたまま、ネガティブな感情を抑えることができるといいます。
本書では、「能」の動きをもとに、「和」の呼吸法を誰にでもできるエクササイズとして紹介します。「朝日カルチャーセンター」をはじめ、著者が実際のカウンセリングの現場で試しながらできたエクササイズです。
誰でも強いストレスを感じながら生活を送っています。ストレスをパワーに変えるエクササイズをぜひ実践してみてください。

 

 

 

 

著者紹介

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

安田 登

1956年千葉県生まれ。下掛宝生流ワキ方能楽師。日本で数少ない米国Rolf Institute公認ロルファーの一人(現在、ロルフィングの施術は行っていない)。高校時代、麻雀をきっかけに甲骨文字と中国古代哲学への関心に目覚める。高校教師時代に能と出会う。ワキ方の重鎮、鏑木岑男師の謡に衝撃を受け、27歳で入門。現在は、能楽師ワキ方として国内外を問わず活躍するかたわら、論語』などを学ぶ寺子屋「遊学塾」を東京を中心に全国各地で開催

 

ja.wikipedia.org

 

安田 登(やすだ のぼる、1956年(昭和31年) - )は、日本の能楽師、ロルファー。

 

twitter.com

 

watowa.net

 

書評

Amazonのレビューを見ると、賛否両論のようでした。

 

★★★☆☆

鈴木亜由子選手推薦書

2020年7月31日

NHKテレビで女子マラソン日本代表の鈴木亜由子選手がコロナ騒動の中で呼んで参考になったと紹介され購入した。
能と呼吸法との関連は十分に理解できたが、以前ウエイトリフティング三宅宏実選手紹介された酒井雄哉大阿闍梨著「一日一生」ほどの感動はなかった。

 

☆☆☆☆

10ページでギブアップ!

2020年6月17日

日本流が世界で一番説が最初から炸裂
説明が、フェアなアプローチではないため、10ページぐらいから、読み心地が悪くなってきて、諦めました。
日本文化最強説を信じている人専用の本だと思います。
(仕事とプライベートで、私はアメリカと日本を行き来していて、日本の良さを感じていますが、ここまで日本文化最強説を押し出されると、取り残されてしまいました。)

 

★★★☆☆

地道な地味な呼吸法が紹介されている

2019年8月4日

安田さんの本は明快で読み易く、博学で知的なのに、上品なユーモアがある書きっぷりもいつもは好きですが、この本は少し、能を愛するが故に主観に偏っているような、売るために?編集者さんに負けたのでしょうか、安田さんが戦国一気弱な武将と言う信長が桶狭間の戦いで勝ったのも能のお蔭であるという推論や世界的にも謡に類する文化故に強さを見せた国々(イスラエルの聖書やチベットのお経)の話など、本論に入る前の序の部分は、それ以降に安田さんが紹介する呼吸法の正当性を唱えるために、ちょっと強引な運びであると感じます。

本の半分は呼吸法について。能や白隠の呼吸法が主体で、安田さんならではの知識をお教え下さいます。

この本は、そもそも、ご友人の臨床心理士から、アメリカ的なストレス対処法でなく、日本人にもっと合う方法がないだろうか、という話から、ご執筆が始まっているようで、実に地道な訓練が必要とされる呼吸法が幾つか紹介されています。世間にも数多ある呼吸法は、数回で効果を感じるとしても、毎日のこと。つまり、やる人次第なので、地道にやってみたい人にはおススメな本です。安田さんの本は読み易く、読む進み安く、つい地道なトレーニング部分を忘れてしまいそうです。

安田さんは、こうしたメンタルヘルス系の書籍が他にもあり、そちらが生業で、能はご趣味かと思っていました。

 

この手の本は、どうかすると主観や経験則が中心になってしまい、客観的なエビデンスに欠ける場合があると思います。

 

本書も「ちょっとどうかな?」と思う説明方法もありますが、こういう話もあるんだな~ということで、これを土台として、読者各人による確認/検証を行なえば良いと思いました。

 

鈴木亜由子さんの感想を参考にして、呼吸や体の使い方を改善するヒントを得てみたいです。